サッカー強豪校である修徳高校卒業後イタリアへ渡り、仕事と両立をしながらUMBRIA州、LAZIO州地域リーグでプレイヤ―として挑戦を続けてきた穴田さん 。そんな彼の立ち上げた 挑戦者をサポートするプロジェクト beready に迫っていく

-イタリアで挑戦を続ける日本人を撮影する事から始まったというプロジェクトbeready ですが立ち上げに至ったきっかけはありますか?


高校卒業後 18歳でイタリアへ挑戦したのですが、選手として試行錯誤し挑んできた中で「こんなサポートがあったら自分の経験をちゃんと価値として消化できたのに」と感じたものを形にしたいと思ったことがきっかけです。


-自身のプレイヤーとしての経験をもとに、挑戦者のプロモーションを行うプロジェクトの立ち上げに辿り着くわけですね。いつ頃プロジェクトの構想ができたのでしょうか?


ちょうどコロナ期間中でリーグ戦も中止になり、このまま自分の人生でサッカーが無くなったら本当にやりたい事として何が残るんだろうと悩んでいたときですね。これまでの経験を活かし「挑戦を続ける人へのサポート」を仕事にしたいという漠然としたイメージはあったのですが、いざ具体的に何をやってみたいかノートに書き始めてみたらやりたいことが多すぎて何を目指して、何から始めなくちゃいけないかが全然まとまらなくて。半年くらい考えて ようやくたどり着いた答えが「あ、俺のやりたいことってスポンサーじゃね」 でした。


-スポンサーですか?


はい。 コロナ期間に格闘技にハマってMMAをよく見ていたのですが格闘家とスポンサーの関係性ってアツくてキレイな関係性だと思いませんか?誰かの挑戦を応援することでお金を生む流れを作れたら、それって応援する側もされてる側もWin-Winの関係ですよね。だから自分自身で「お金を生むことのできるなにか」をベースに持っていれば、スポンサーとしてお互いがお互いのプロモーションができるWin-Winな構図を作れるんじゃないかなと。


-なるほど。確かに今の穴田さんの活動は挑戦者のスポンサーといわれればしっくりくる気がします。


そうなんですよね。だからまず 、自分のやりたいことはなんだ。スポンサーがしたい。じゃあブランドを作らなきゃ。でも自分のアパレルが作りたくてブランドをやるのとは意味が違う。よし、だったら物を売るより先にブランドの「意味」を売ろう。そうして beready が生まれました。

-「物を売る前に意味を売る」とても面白いアイディアだと思います。最近で言うとプロキックボクサー樋口選手のスポンサーとしてbereadyが参加していたのはそういう事だったんですね。


はい。今後も樋口選手のように覚悟を持って挑戦を続ける日本人に対して積極的にスポンサーとしてそれぞれのプロモーションをサポートできるよう動いていきたいと思っているので、今は「プロジェクト」として実際に 挑戦を続ける日本人の写真撮影 そして、NineTimesNineとしてもそれぞれの挑戦にフォーカスを当てた記事を作成し beready の意味を形にしている段階です。


-挑戦者へのプロモーションとして写真を選んだのはなぜでしょうか?


シンプルに自分の10年を振り返ったとき、手に入れられなかったモノのなかで一番欲しかったものが写真だったからです。これまで約8年間イタリアの地域リーグ、県リーグでプレーしてきたのですが “プレー中の写真” って実は数えるほどしかないんですよね。


-なるほど。海外だと特に活動中の写真をストックできるチャンスは限られてくるかもしれませんね


そうなんです。いわゆる「アマチュア」と位置付けされるカテゴリーでの海外挑戦は残念ながら現地では思うようにフォーカスされないのが現実です。なので挑戦している業種や環境、レベルに関係なく 覚悟を持って挑戦を続ける日本人それぞれの、納得のいく結果にたどり着くまでの道のりを形に残す手段として写真を撮り始めました。イタリアで生きていくって日本から見えるような華やかなイメージとは違って" やらないとやられる" そんなシチュエーションの積み重ねで成り立っているんですよね。だからこそ挑んだ結果、たとえ 負けや失敗だとしても挑戦している日々を形として残すことは"やりきる"為には不可欠なプロセスなんです。

-スポンサーとして挑戦者のサポートをするため、まずは写真を通してそれぞれの挑戦のプロモーションを行い最終的にbereadyをブランドとして形にする。素晴らしいプロジェクトだと思います。


ありがとうございます。個人的には目標であったイタリアの永住権を取得したので、ブランドとしてbereadyを形にするにあったって一度拠点を日本へ戻すのもありなのかなと。「日本には絶対帰らねえ」と息巻いてた時とは比べ物にならないくらい大人になりましたが、下手したら日本を飛び出した時よりギラついているので、その時は帰国ではなく出国だと思って空港へ向かいます。(笑)


-日本でもイタリアでの活動と同様に挑戦を続ける人へのサポートを続けていくのでしょうか?



もちろんです。自分のルーツであるサッカー界に自分の経験を還元すること。イタリアでの12年で 心が折れそうな時、何度も支えてくれたHIP HOPのカルチャーと共に生きる人達と仕事をすること。写真を撮り始めるきっかけにもなったcherry chill will.のインタビュー記事を作ること。 主にこの3つが日本に拠点を置く上での最大の野望ですが、引き続き覚悟を持って挑戦している人の伏線を 写真という形で残しながら、プロジェクトとしても、ブランドとしても、様々な角度からのサポートを日本でも続けていきたいですね。

-穴田さんのこれから始まる人生第二章 楽しみにしています。最後に今後のビジョンなどあれば是非教えてください。


これまでプレイヤーとしてアマチュアの環境でお金をもらいながらサッカーを続けてきたこともあり、1円でもお金がもらえればプロなのか? 無給でもプロリーグのプレイヤーになればプロなのか? など“プロの定義” を聞かれることが多いのですが、「納税したらプロ」はっきりと自分をアマチュアプレイヤーだと言い切ってきました。人それぞれプロフェッショナルの定義は違うと思いますが、間違いなく共通して言えることは プロとは 挑み続けたアマチュア です。

なのでこれからも「それぞれの思い描くプロフェッショナル」へ挑む過程で "アマチュアの収益化"に繋がるようなサポートをこのbereadyを通じて形にしていきたいですね。

Founder / NineTimesNine Studio

TAKAYUKI ANADA