2024シーズン愛媛FCレディースから台湾女子1部リーグ hang yuan FC(新北航源FC)への移籍が決まった松永さん。なでしこリーグで10年間プレーを続けた彼女が台湾へ舞台を移しプロサッカー選手として挑む姿にNINE TIMSE NINEが追った。

-まずは松永さんの今回の台湾女子1部リーグへの移籍について経緯を教えてください。

サッカーを続けていく中で、海外でプレーしたい。海外で生活がしてみたい。という想いがずっと自分の中であり 残された人生の中で慣れ親しんだ大好きな土地や仲間から離れ自分の力で生きていくということ。まだ見た事のない世界や景色を観たい。異なる文化、言語、人々と出会い、自分の世界や価値観のを広げたい。そんな想いが今回の台湾リーグへの移籍に繋がりました。



-現在日本の女子サッカーにおいてヨーロッパでプレーをする選手が増えていくなかで、なぜ台湾へと挑戦の舞台を選んだのでしょうか?

私の父は台湾で台湾人の祖母と日本人の祖父の間に生まれたこともあり、幼い頃から私のルーツとして常に台湾という国を身近に感じる環境で育ってきました。なかでも私が選手としてのキャリアとは別に挑戦している「お茶」の世界に足を踏み入れることになったきっかけは我が家にあった台湾茶を飲む習慣なんです。

サッカー王国であるヨーロッパ、英語圏のアメリカやオーストラリア、色々な選択肢もありましたが、なでしこリーグで10年戦ってきた今「地域の力をお茶を通して女子サッカーへ、そして女子サッカーが地域の力に。」そんな私の夢に近づく一歩として、 茶の大国であり父の生まれ故郷でもある台湾への移籍は他のどの国よりも刺激的な挑戦だと思いました。

-なでしこリーガーとして挑戦してきた10年は松永さんにとってどんな10年間でしたか?

そうですね 試合に出る事はもちろん、そうでない時間や、勝った時負けた時、振り返るとこの10年間で本当に様々な経験をさせてもらい 選手としてだけでなく社会人としても成長することができました。というのも、2021年からWEリーグ(プロリーグ)ができたこともあり、なでしこリーグはその下のアマチュア最高峰という位置付けのリーグのため、ほとんどの選手がサッカー以外の仕事と両立しながらプレーしています。私は大学時代を除くと スフィーダ世田谷FC で2年、 愛媛FCレディースで4年と なでしこリーガーとしてクラブの地元企業に雇用していただき選手としてだけではなく、一社会人として 「地域を心から愛し愛され、地域と共に戦う」というという事の幸せを、存分に味わうことができました。 なでしこリーグでプレーした10年が今の私の全て。と言っても過言ではないくらい濃い10年間だったと思っています。


-「地域を心から愛し愛され、共に戦う」スポーツとしてあるべき姿の本質的な部分かもしれませんね。 アスリートとして競技を続けながら企業で働く上で意識していたことはありますか?



サッカー選手としてはもちろんですが、企業の中では特に 「自分にしかできないアクションを起こす事」 ですかね。雇用してくださるスポンサー企業様にとって、練習や試合などサッカーが優先である私たちを雇うということは負担になることもたくさんあると思います。他の正社員の方々と同じ業務をすることが難しい中で、自分にしかできない角度から企業や地域の方々に何か力になれないか、そこを常に意識していました。

力になると言っても、何か大それた企画やサッカー選手として広告塔になるだけではなく社員や従業員の方々との日々の関わり、毎日の取り組む姿勢など、当たり前の積み重ねが今の私の人望として大切な財産となり残っていることに気付く事ができました。

- 昨年日本茶インストラクター協会が認定する日本茶アドバイザーという資格も獲得した松永さんです資格を取ろうと思った経緯を教えてくださいのでしょうか?


お茶の世界に興味があるといっても私は茶農家の娘でもなければ、お茶の産地の出身でもなく業界に知り合いがいるわけでもありません。 資格にとらわれるのはあまり好きではないのですが なでしこジャパンでもなければチームのストライカーでもなかった私は、 まずは地道に勉強してお茶にまつわる資格をとって少しでもお茶の世界を知るところから始めようと。そこで日本茶アドバイザーという資格を取得することに決めました。世田谷時代の2年と愛媛での4年の計6年間、スーパーマーケット業界で勤務させていただいたこともあり 会社のバイヤーさんや商品部の方々に協力を得ることができ実際に愛媛にある  脇製茶場 で勉強させてもらう貴重な機会を得ることもできました。

サッカーだけをしていたら出会う事のなかった人達、その一人一人との出会いが原動力となり、お茶の世界へ挑戦する新たな1歩を踏み出すきっかけになったと思っています。


-松永さんのデュアルキャリア アスリートとして挑み続ける姿は、なでしこリーグで戦う多くの選手へ響く素晴らしい挑戦だと思います。挑戦の両立をしていく上で意識していることはありますか?


自分らしくいる事です。心も外見も自分らしくあり続けること。自分らしさとは何かと言われると言葉にするのは難しいですが、変化を恐れず挑戦すること、好きなことや人々に全力の愛を捧ぐこと。これにつきると思っています。


安定した未来、安全な選択、人間は安心が欲しくなる生き物です。なので新しい世界に飛び込むことはとても怖いし勇気のいることですが、それでも何かに挑戦しなければ、変化しなければ、今以上の景色には出会えないですよね。 私自身誰かが新しい事に挑戦する姿をみてとてもかっこいいなと思うし、すごく勇気をもらっているので次は自分の挑戦する姿がいつか誰かの力になれるよう、まずは台湾での新しい挑戦に全力で挑んでいきたいです。

-シーズン前にも関わらず貴重なお時間をいただき ありがとうございました。松永さんの新しい挑戦これからも追わせていただきます。最後に今後のビジョンがあれば是非教えてください。


今は台湾に来て間もないため、言語も含めサッカー面において刺激的な毎日で大変な部分も多いですが、しっかりチームの即戦力になれるようプロサッカー選手として、日々のコンディション維持やパワーアップするための努力を積み重ねていきたいです。

そしてお茶の経験値や知識の幅を広げ、セカンドキャリアとしてではなくデュアルキャリア としてここ台湾でお茶と本気で向き合いながら 今まで以上に活躍する姿を皆さんに届けたいと思っているので日本から応援していただけたら嬉しいです。



photo by ©EHIMEFC

ndskmayu9_photo_

Professional Footballer

SAKI MATSUNAGA