イタリアでフットサル選手として8年目となった2023-2024シーズンを、優勝という最高な形で終えた西本さん。そんな彼のこれまでの道のりと、セカンドキャリアとして選んだ仕立て屋としての新たな挑戦にNINE TIMES NINE が迫っていく。

-まずは西本さんのこれまでのプレイヤーとしてのキャリアを教えてください。


2016-2017シーズンからトスカーナ州セリエB  Mattagnanese BSL calcio a 5 でフットサルのキャリアを始めました。1シーズンプレーした後、 ウンブリア州のセリエ C1  A.S.D. Eden Park Horse Village からオファーを頂いたのでそこで3シーズンプレーし、コロナの影響もあり一時中断となってしまいましたがその後移住したフィレンツェでMidland Global Sport 、ASD CALCIO A 5 REMOLE とこの8年で様々な環境で選手として貴重な経験することができたと思っています。


- セリエB、セリエC1、セリエC2と幅広いカテゴリーで活躍してきた中で日本とイタリアでフットサルの違いは感じましたか?


日本で府リーグや地域リーグを経験してきましたが僕なりに日本人との違いで明確に感じたポイントは、対人能力の強さとゲームを決定付けるフィニッシュ力ですかね。この二つは特に外国人枠のプレイヤーに求められる最低限のパーソナリティで、カテゴリーが上がるにつれて戦術面も含め一人の選手として多くのことが求められる環境だなと感じています。



-外国人プレイヤーとして異国の地でプレーを続けるという事は決して簡単ではないようですね。

そうですね。特にセリエBでプレーした一年目は外国人枠の選手がブラジル人、クロアチア人、スペイン人、ポルトガル人、コロンビア人、アルゼンチン人と世界中から家族の生活を支えるためイタリアでプレーをしている選手ばかりで、結果がでなければクビを切られ目まぐるしくメンバーが入れ替わるような環境でした。生きていく為に本気でフットサルをしている選手達との毎日の練習は今振り返っても試合並みの削り合いでメンタル面でだいぶ揉まれましたね。チームのカテゴリーや監督の意向によって求められる役割が様々ですが、1年目の経験があったからこそ外国人枠として8年間プレーを続けることができたのかなと思っています。


-選手としてのキャリアと並行し現地イタリアで様々な職務経験をお持ちですが競技者としての一面と仕事を両立する上で意識していたことはありますか?



シーズンを通して結果を残すことだけを意識してフットサルに全振りできる生活とは違い 一プレイヤーとしての前に、僕は一労働者としてこの国に滞在しているという認識をしています。なので、年々キャリアを積み重ねていく事に仕事が優先のスケジュールになってしまうことが多くなっていきましたが、チームの貴重な外国人枠として常に結果を出せるようコンディションの部分をピッチ外でどれだけケアできるか、試合でより良いパフォーマンスができるよう細かい準備を怠らないことを意識してきましたね。

-試用期間を経て目標であった現地イタリア企業と契約を結びシーズン終了後から本格的にテーラーとしての一歩を踏み出すことが決まった西本さん。今回の契約にあたり、歴史あるフィレンツェの仕立て屋 Sartoria Sistoで 3年間経験を積み準備を続けてきたことが大きかったとの事ですが具体的にセカンドキャリアを意識し始めたきっかけを教えてください。



もちろん当初はフットサル選手でセリエAに行けるような選手になりたいと野望を抱いてイタリアに挑戦しましたが、年齢や自分の実力、現実を見たというか、外国人としてイタリアで本気でフットサルという競技に向き合ってきたからこそ上には上がいると妙に納得してしまった自分がいたんです。負けたまま日本へ戻りたくない。何か自分が人生を賭けてやりたい事をイタリアで見つけたい。そんな時に、元からイタリアのファッションやスーツに興味があったこともあり知り合いの方から紹介して頂いたことをきっかけにSartoria Sistoへ修行させていただける事になりました。


-社会人として仕事とフットサルを両立しながら現役の間に次の目標を見つける。西本さんの素晴らしい行動力の賜物ですね。


ありがとうございます。ただ、仕立て屋として全く経験がなかった外国人である僕の「学びたい」という気持ちを快く受けいれてくれたSartoria Sistoには本当に感謝しています。三年間彼らから学んだことを活かし5月から本格的に始まるテーラーとしての挑戦に全力で向き合い、その中で一歩づつ自分の店を出すという夢へ近づいていきたいですね。



-また今年から正式にスポンサーとしてbereadyが西本さんの挑戦をサポートしていくとの事ですがどのようなプロジェクトなのでしょうか?


bereadyはヨーロッパを拠点とし海外で活動する挑戦者をサポートしていくプロジェクトで、この度ご縁があり今回のNINE TIMES NINE でのインタビューのオーガナイズも含め、自分の活動のプロモーションや、アパレル商品の開発、個人のオーダーメイドスーツを制作するにあたり長期的なプロジェクトの提案をしていただき、今後スポンサーとして僕のセカンドキャリアをサポートしていただくことになりました。これからbereadyを通じ より多くの人の挑戦に光が当たり、それぞれが覚悟を持った挑戦を続けていけるよう、まずは僕が仕立て屋としてのセカンドキャリアに全力で挑んでいきたいです。


- セリエAを本気で目指していた日々を経て異国の地で新たな分野へ挑戦する。現在もプレーを続ける多くの現役選手の背中を押せる素晴らしい挑戦だと思います。最後に今後のビジョンがあれば是非教えてください。


Ci vuole tanto tempo e tanta pazienza という言葉が座右の銘なので 焦る事なく着実にサルトへの道を歩み、たくさんの人に着てもらえるような品作りをしたいです。いつか自分の憧れである干場 義雅さんに着ていただけるようなスーツを作れるよう サルトの本場フィレンツェで一人前を目指し人生第二章に挑んで行きたいですね。 

Futsal Player

HIROYUKI NISHIMOTO